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ナチュラルに嫉妬
2006年 04月 18日 |
やっとこさ真面目に岩波版(近山金次氏訳)の『ガリア戦記』を読んでるんですが、このおっさんすげぇとナチュラルに思わされますよ。(この場合の「おっさん」は褒め言葉です)

明らかに一人称視点なのに人称が「わたし」でなく「カエサル」。凡人がやったらギャグにしかならないでしょうにこの人は上手に三人称なんだ客観的文章なんだと錯覚させる。
そのため中立的立場と視点で読みたいのにいつの間にやらローマ側の考え方をさせられてしまう。

下手の横好きのモノカキとしては嫉妬します。
こういう読者を無意識に引き込んでしまう文章が書きたいと思ってしまう。
天は二物を与えずとはいいますが、こういう人に出会うと嘘だなぁと思う。そりゃカエサルにしたら「俺だっていろいろ努力したんだい」と言うかもしれないけど、私は凡人なのでそう思ってしまう。

この人にとっては「暗殺」という最期もその人物性を高めるためのアクセントにすぎないのかなぁと思う。(いや本人は無念だったことでしょうが)
長生きせずドラマティックに死んだからこそ、この人は未だに花を手向けられるのかもしれない。
ある意味完璧な「英雄」だよなぁ……。

かといってこんな人が旦那だったりお父さんだったりするのは勘弁です(笑)。
さてこの名著、ワタクシ原語でよめるようになるのでせうか。

by 7thdragon-sister | 2006-04-18 21:37 | 読書関連