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我思う、ゆえに
2011年 10月 05日 |
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「では、歴史学の研究者が、文学や映像などとは異なる、専門研究を踏まえた歴史像を一般の方に提供できるとすれば、それはどのような性格のものなのであろうか。文学は史料に拘束されず「真実」の領域まで到達できるが、歴史学は史料に拘束され「史実」の枠内にとどまるため、何ほどのこともできないのであろうか。」
(南川高志 「思想の言葉 歴史像の構築のために――歴史学の研究者にできること」『思想』2011年10月号)


と、いきなり大真面目な引用から初めてしまいましたが、何の事はない、10月1日(土)に宮城県は白石市のおまつり『鬼小十郎まつり』に行って参りました。

本年は震災のこともあり、『戦国BASARA』シリーズで片倉小十郎役を演じる森川智之氏、片倉小十郎景綱が主役の漫画『伊達の鬼』そしてその続編『バリエンテス』の作者田中克樹氏、また地元の白石片倉組に加えて、伊達武将隊、山形おきたま愛の武将隊、忍城おもてなし甲冑隊が来てくださるなど相当盛大なお祭りになったと思います。
実際報道でも約8000人来場したとのことなので、昨年の約二倍くらいの人が来てくださったのかな、と思います。
来てくださった皆様、私が言うのもヘンですが、ありがとうございました。


「鬼小十郎」は現在全国的に知名度が高い初代小十郎の景綱ではなく、二代目の息子重綱(後、重長)の異名であるのに景綱がやっぱり目立ってるなぁとか、
森川さんの観客動員力すげぇな、とか、
片倉組頑張ってるなぁ、とか、
忍城行ってみたくなったなぁ、とか、
元々森川ファンである私の感想とかお祭り自体の感想ももちろんあるんですが、歴史専攻者としても色々思ったこともあったり。

ただ昨今の「ブーム」(バブルかもしらん)と学界の間の乖離というか、いや、それ自体乖離していてもいいんでしょうが(それこそ「地方経済」と「歴史学」って別だと思いますし)、ローマ史およびヨーロッパ中世史における「塩野七生女史の作品について」の件とか専攻ジャンルと興隆の大小あれど、似たような問題なり命題はあるものだなぁと思ったりなんだり。
近年のサブカルチャー的な「歴史ブーム」については研究者も怒ったり笑ったりそりゃあ忙しくなるよなぁと思いました、ホントに。
何が言いたいかというとだいぶ脳内片付いていないのですが、冒頭に引用した南川先生の言葉に尽きるなぁと思うのです。
目の前に出されている「とても面白いもの」以上のものを歴史家は提供することができるのか。
高校の教科書ですら二十年三十年、下手したら半世紀前のことを載せてる場合もあるのに、どのようにして良い意味でのカウンターをかませるか、ということに尽きると思うのです。

まあ端的にまとめますと、娯楽と学問の境って何だろうなぁ、と、傑山寺にいたゆるふわな恰好をしたお嬢さんたちの後ろ姿に思ったのでした。
ヒールで墓所は危ないよ。まして景綱の一本杉をば。


以下はちょっと心に残った白石の被害状況など。



実際行く前から知っておりましたが……

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大手門のまず漆喰の剥がれ具合にショック

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天守(三階櫓)も下の広場から見えるほどヒビが入っておりました。

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清林寺とその前の水路。
白石城~傑山寺まで徒歩で移動したのですが、水路の被害が目に焼き付いています。
傑山寺近くでは土曜日だというのに復旧工事の方が頑張っていらっしゃいました。
傑山寺も墓石が倒れたままだったりと、被害が目につきました。

おまつりの会場から出て、一歩住宅地へ入るとやはり地震の被害が目につきました。
その落差にちょっと考えてしまったことも事実ではあります。
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by 7thdragon-sister | 2011-10-05 21:07 | 日々雑感